山に登るようになって、以前よりも増して、富士山の美しさと、それが近くにあることのありがたさを強く思うようになった。
その存在感の大きさと、すうっと流れるきれいな稜線。
場所や季節・天候によって、表情が大きく異なるのも楽しい。
どこから眺めるのがもっとも美しいか。
どんなシチュエーションが一番美人か。
稜線について言えば、南西から見ると、右中腹部に出っ張りと窪みがあるのがわかる。
1707年(宝永4年)に起きた噴火による火口跡だ。
静岡県民が富士山の絵を描くときは、この出っ張りも描くと言われている。
僕は、絵的に、この残念な出っ張りが隠れるようなビューポイントが好ましいと思う。
それから、山頂部には雪があるのが断然いい。
いや、雪が付いてなくては魅力が半減すると言ってもいい。
お好み焼きにソースがマストであるように、富士山には、たっぷりと振りかけられた雪が似合う。